Concept アートを身近に
私たちの思い
昔から金沢では様々な工芸品がライフスタイルに取り入れられてきました。九谷焼や輪島塗などの器を中心に日常で広く愛されてきました。しかし、現代においてアート作品は美術館やギャラリーの展覧会などで目にする程度で、実際に日常生活の中で身近に感じる機会は少ないように思います。
「月映」では金沢にゆかりある技術に根ざしたつくり手のアートの作品を専門として取り扱います。アート作品を生活の中で身近にし、作品の世界観と空間や時を共有することによってこころを豊かにすることができないかと考えています。音楽という芸術が人々の日常生活の中に入り込んでいるように、アート作品の世界観と空間や時間を共にする機会のためにアート作品を身近にすることを提案します。
五感を刺激する芸術作品にふれると、普段使用することのない感覚を使用します。人は普段酷使している感覚と違う感覚を使うとき癒されることがあります。アート作品は癒しを与えたり、新たな価値観を気づかせてくれたりとさまざまな語りかけをしてくれます。
Story
明治時代に建てられた町家を改装した「月映」
お庭には立派なつくばいがあります。つくばいはお茶会時に手を清める場所ですが、この町家で育った大家さんのお話によると幼少期に中秋の名月に見たつくばいの水面に映る月が印象深く記憶されているとのことです。明治時代からそこに鎮座して人々を見守り続けたつくばいは、さまざまな時の月を映しだしてきたことでしょう。
これから私たちが扱う作品たちもそれぞれの家庭にとって、つくばいに映し出された月のような存在であってほしいという願いも込められています。つくばいに映し出されて一層その存在を浮かび上がらせる月のように、若いつくり手の作品を人の身近に届けることで、より一層その存在の意味を強めこれからの活躍を後押しするという意味で命名しました。